ガット張りのポイント
最近ガット張りについて書いてなかったので久々にボリュームのある内容。

僕が考えるガット張りの一番のポイントは変形を出来るだけさせない事。
逆に、悪い張りと言うモノがあるとするならそのラケットは絶対変形が大きいと思う。

言うのは簡単だけど実際どうやって変形しない張りをするかと言うと。
結局は縦糸と横糸とのバランス。まぁ主に横糸のテンション操作となってくる訳ですが、ラケット、ガットの種類、テンション、ストリンギングパターン、マシンの精度、張り手の技術、と色々な要素があるのでこのラケットはココで何ポンド落せとかは言い切れないんですね。
じゃあ結局どうしたらいい?って。
それは張りながらラケットの状況を観察することで経験として自分に記憶されていきます。
僕がやってる事を簡単に書いてみますね。

①まず、ラケットのセッティング。
20160913a.jpg
ます、ビリヤードが軽く触れる程度で固定してサイドアームも軽く触れてる程度。
とにかく強くセットしないこと。かといってグラグラにはしません、これが微妙なところ
ビリヤードなんて強く締めれば簡単にラケットは伸びる方向に変形します。5mmなんてすぐです。
サイドアームも強く締めると、またビリヤード感が緩む為、さらに締める人もいたり。。
特異なラケットを除けば、セッティングは触れる程度で。
最初から変形させてセッティングしたら、仕上がりが解らなくなりますし、次回張るときのテンションの再現性もばらつく事になります。これ、複数いるお店では個人の差として仕上がりが変わる要素の一つだと考えます。
実際、動かないほどバッキバキにセットしている人います。

②今回、注目する箇所はココ。サイドアームの触れる箇所のクリアランス。
ラケットのみのセッティング時、この箇所のフレームを押すとラケットのシナリでアダプターの間にクリアランスが出来ます。
これがガットを張るにあたり変化してきます。
20160913b.jpg


③縦糸を張った状態。
20160913c.jpg
この時、ビリヤード間は実際5mm~8mmは縮み、ラケットの横幅は伸びています。
ブログの常連様はお知りだと思うんですが、どんな高価なマシンでもこの変形は抑えれません。
この時、セッティング時に触れるだけのサイドアームは黄色の矢印の方向に凄い力で押されています。

④横糸を張り進めます。
20160913d.jpg
横糸を張る際、僕がしている事。写真右方向にテンションを掛けている際。

サイドアームに掛る力がどの程度なのか?青の矢印の方向に軽く押してチェック。
まだこの時点では②黄色の矢印方向の力が大きく、押してもビクともしません。


⑤さらに張り進め、横糸11本目
20160913e.jpg
同じく青色の矢印方向に押してみる。④で動かなかったフレームが少し動く気配。

⑥ ⑤から1張り勧めた状態。
20160913g.jpg
同じく赤〇の箇所は同じく押せばクリアランスが出来そう。青矢印のトップはまだ全然動かないですね。
理想では横糸終わる時に押したらかすかなクリアランスが出来るのが理想。

⑦ 張りあがりました。
20160913h.jpg
この時点でどの色の〇の箇所も強く干渉してなければいいです。
もうお解りだと思いますが、①のセッティングの時と同じ状態が理想です。

上手く張れない場合、例えば今回はボトムアップですので。。
1.赤〇、青〇ともクリアランスが大きい→横糸が強い。横潰れで黄〇間もクリアランスが大きい。
2.赤〇良好で青〇にクリアランスが大きい→横糸を途中で下げるべきだった。
3.赤〇、青〇ともクリアランスが無くきつい。→横糸が緩い。縦潰れで黄〇間も元の長さに戻ってない。

トップダウンの場合は2.は逆になります。
4.青○良好で赤〇にクリアランスが大きい→横糸を途中で下げるべきだった。
5.青〇きつく、赤〇がちょうど良い→横糸の最初からのテンションアップが必要だった、また途中で落す必要もある、もしくはパターンを変えて張ることで解決。


⑧ビリヤードは緩めずサイドアームだけ外します。
20160913i.jpg
どうでしょう、アームを外す特、まさか硬くなかったですよね?それだとラケット太ってますよ。
逆に外す前からアダプタ―とラケット間にクリアランスが大きく、簡単に外れました?それだいぶ痩せてますよ。
まあここでそんな事ないよ!と誤魔化しても次でわかります。

⑨ラケットを外します。
20160913j.jpg
ウチのマシン、トアルソンやその他のマシンでもビリヤードのアダプター形状は真っ直ぐなモデルが多いと思います。上手く張れていればビリヤードは緩めず、写真の様に上にスポッと外れるはず。
(僕が同じラケットを連続で張る時はこのビリヤード間は動かさず2本目セットします。変形無く張れていれば同じラケットなんだから可能ですし、同じ条件で固定できます)

これも同じこと言いますが、痩せすぎてたらスカスカでしょうし、太ってたら全然外れない。
そこまでバッチリと変形戻せない場合もありますが、軽い抵抗で外れる感じで2㎜位の変形かと思います。
また、どうしてもトップが落ちてしまうモデルがあるのでそういうラケットは仕方ないと思って下さい。
でもその場合、サイドアームのクリアランスはバッチリとだしてからの話ですよ。

バボラや最近のヨネックスの様にビリヤードの形状がV型だと真っ直ぐは抜けません。
その場合はラケットを揺すってみてどの程度の抵抗があるのか確認できると思います。勿論外すときの感覚でも分かるはず。



よく、ヨネックスのラケットは横を落さなきゃダメだ!
とかいろいろな情報を見て張られるホームストリンガーも多いと思います。
(いや、情報収集されるだけ良いんですよ)
でもヨネックスでも条件により横を落さないで良いモデルもありますし、やっぱり落さないといけないモデルもあります。情報を信じて3ポンド落して張って太ったラケットは良い張りだとは思いません。
何も考えず縦横張ったら外す特にカラカラと動くほどになった!ってのも良いと思いません。

ガットを張らない人には衝撃でしょうが、たぶん量販店では平気でこのレベルの作業をしてます。
多くのホームストリンガーの方も経験があるはず。

今回は長い記事になってしまいましたが、何がポイントかと言うと。。。

変形を見極めるのはデーターや情報では無く、張りながら観察すること!

マシンが違えば補正の仕方も違います。実は安いモデルの場合、アームの形状や固定方法、剛性の問題で同じように観察する事が出来ないかもしれません。でも張り上がり時のクリアランスの感覚は同じです。
そこだけでも確認すれば次回の張りに生かせます。

初めてのラケットや、テンション、ガットだと頻繁に様子をうかがって張るんですが、もう何度か張っているセッティングだと記憶しているんで最後のチェックだけです。
それでも張りながら気にするのはやはりフレームの戻り具合とココ。


今回の話は、簡単な様で奥が深いんです。
[2016/09/14 23:31] | ホームストリンガー | トラックバック(0) | コメント(4) | page top
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コメント
私の場合、ビリヤードもサイドサポートも締めすぎないようには気を付けてましたが、クリアランスが出るところまでは正直怖くてできない感じです。でもそのぐらいでもOKなんですね。横糸のテンション調整は気を使ってますが、トップ側は膨らんだままにならないように、ボトム側は痩せすぎないようにを重視しています。(あくまで自己流ですけど)
[2016/09/15 23:38] URL | くまこさん #- [ 編集 ]
いや、クリアランスがある状態にセットしません。
触れる程度、もしくは少しだけ締めた程度です。
別にある程度締めても良いですけど、張ってる途中や、
張り終わりのラケットの状態が解りづらくなりますから。
ちなみに本当にクリアランスが出来るようにセットする人もおられるようです。
[2016/09/16 10:30] URL | harikichi #- [ 編集 ]
張り機 
はじめまして、仕事兼、ホームストリンガーをしてるものです。
専門店にいたころはバボラを使ってまして、現スポーツ店にてES5を、お家ではトアルソンの6800iを使い、真似をするように仕事先のマシンを気に入り東洋造機のマシンを買ったものです。
やはりいろいろ張り機と組みましたが、フレーム、変形、いろいろありますね!!トアルソンを使ってたときはきつく太り気味で、今のマシンですとゆるゆるだったり、愛称と性格を知るのはむずかしいですねwww
[2016/11/16 23:21] URL | おーさわ #- [ 編集 ]
おーさわさんは、職業ストリンガーなんですね。
僕は素人ですのでおかしなこと書いてたら教えて下さいませmm。
トアルソン6800i→東洋造機製って機種は違うかも知れませんが買換えが同じですねぇ。
やっぱり今のマシンの方がテンションの精度と剛性が高く感じます。

このトピックはホームストリンガーの疑問として久々に良い事書いてあるとおもうんだけどなぁ。これ理解出来ればほぼマトモな張りは出来てると思うんですよ。
[2016/11/18 16:14] URL | harikichi #- [ 編集 ]
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